一級建築士が教える!マンションと戸建の選び方|水井装備

一級建築士が教える!マンションと戸建の選び方

持ち家か賃貸、戸建かマンション

人生における三大支出は、住宅、教育、老後の資金です。
その中でも、住宅というのは、ものすごく負担が大きい買い物になります。

その住宅を「購入」するのかずっと「賃貸」で過ごすのか、
「マンション」に住むのか、「戸建」に住むのか?

人それぞれのライフスタイルがあり、それは時代を超えても何が一番良いのかは答えが出ないままです。

ここでは、それぞれのメリット・デメリットを抽出してみます。
皆さんの生活に当てはめて考えていただき、今後の人生に役立つヒントになれば幸いです。

賃貸と持ち家

賃貸のメリット

家賃と光熱費以外は、ほぼ費用が掛からない

賃貸では、居住するために毎月かかる費用は、家賃と光熱費、それと、もし車を所有しているのならば、駐車場の費用、インターネットを使用するならばIT通信費くらいでしょうか。

定住せずに住み替えが自由に気軽にできる

転勤が多い方、また、今後家族の構成が不透明な方、いろんな場所に住み、世界観を広げたい方、最近では、定住せずにいろいろな場所に住み、人生を謳歌されているご夫婦も多く見られます。

仕事も出社せずにインターネットでできる時代です。そんな生活も憧れます。

経年劣化の修理ものについては基本的にオーナー様負担

特に設備機器などは長く使用していると故障したり劣化したりします。入居者に故意、過失のない故障については基本的にオーナー様の負担により修理してもらえます。

最近では、いろいろな設備が付帯されている賃貸も多くありますので、物件を選ぶひとつの指標になります。

いろいろなお家賃相場の賃貸があり、その時期の収入に合わせて探すことができる。

お家賃相場もお部屋の広さ、年代、立地、セキュリティなどにより、低コスト~高コストまで幅広い物件が存在します。毎月の収入に合わせ決めていけるので、気軽さがあります。

また、ほとんど2年更新でその後更新するしないを決めていけますので、収入により居住空間のグレードを上げていくこともできます。

賃貸のデメリット

収入が少なくなった老後までずっと家賃が発生する

一生涯お家賃が発生してしまうのが一番の不安要素でしょう。

日本人の平均寿命は、どんどんと延びてきておりますが、就労できる年齢というのは、限界があります。

現在では65歳を過ぎると嘱託扱いになってしまって、収入がグンと落ち、年金と合わせても、生活するのに四苦八苦してしまっているなんてことも。今後は、年金問題もどのようになっていくのか不安ですし、家賃がどうなるかも不安定のまま老後まで過ごさなくてならないというデメリットがあります。

自分の住みやすいようにリフォームができない

賃貸は、あくまでもお借りしている居住空間ですので、使用者が勝手にリフォームすることはできません。もしも、棚を付けたり、壁紙を張り替えたり、ビスで何か取付たりした場合には、退去時に原状回復の義務がありますので、借りる前の状態へ自費で戻さなくてはなりません。

経年劣化以外の損傷については、自己負担(弁償)、退去時に清算費用が発生する

たばこのコゲ跡やペットのひっかき傷、ドアに何かぶつけて穴をあけてしまった場合、また、DIYで棚などを取り付けた場合は、通常の利用ではなくなってしまい、退去時には原状回復の義務が生じます。

敷金内で清算できない場合は、別途、不足分を自費でプラスして清算します。状況によっては、高額になる場合もあるので、居住中も気を付けて使用してく必要があります。

共用部分のゴミ出しなど、住んでいる住民のモラルに左右される

賃貸住宅は、不特定多数の方が同一棟に入居されています。世代も人種も様々です。

賃貸住宅では、共用で使用する部分も多くあります。

特にゴミ集積所では、自分の好きに廃棄すると入居されている方の迷惑になり、しっかりとルールを守り使用しなければなりません。

モラルが守れない方がいるとトラブルの原因にもなります。

Rental housing
メリット・デメリットを考えて選びましょう。

持ち家

持ち家のメリット

自由に使える、自由にリフォーム、DIYができる

抵当権が設定されていたとしても、持ち家を購入されたら、いろいろなことが自由にできます。部屋は自由に使用することができますし、リフォームやDIYも自由です。

特に戸建の場合はお庭いじりは休日の楽しみの一つになるでしょう。

ファミリー向けなど一定の広さが手に入る

持ち家を購入する場合、マンションの分譲でも、ある程度ファミリー向けの広さを販売していることがおおいので将来家族が増えた場合にも対応が可能な一定の広さを確保できます。

戸建の場合は、ほとんどの場合、マンションよりも10坪~20坪くらいの広さを手に入れることができます。

広さやお子様のことなど、ファミリーになると持ち家を考える方も多くいらっしゃいます。

住宅ローンが終われば、老後にゆとりができる

持ち家を持つということは毎月の住宅ローンを長年支払っていくことになります。しかし、頑張って住宅ローンを支払い終わってしまえば、持ち家は、自分のものになるので、賃貸のように一生涯家賃を払うことはありません。その分、老後に安心とゆとりができます。

建て替えなども自由

マンションは別ですが、戸建の持ち家の場合、土地があれば住居の建て替えも自由にできます。例えば、最初は中古の戸建を購入しておいて、一定時期が来たら新築に建て替えることなども可能です。また、お子様の世代になったときに、土地さえあれば、建て替えについても建物の費用だけで建て替えができるので次世代の住宅ローンの返済負担も軽くて済みます。

次世代へ資産として引き継げる

持ち家を持たれた場合は、お子様世代以降、資産として引き継ぐことが可能です、贈与・相続という形になって場合によっては税の対象になりますが、ほとんどの場合、税の控除で対応でき、資産としてのメリットの方が大きくなります。

その資産は、賃貸として貸し出すこともできますし建て替えやリフォームをして自らが居住することも可能です。

持ち家のデメリット

住宅ローン、光熱費の他、固定資産税等の税金の対象になる

持ち家となった場合は、不動産取得税や固定資産税等の税金の支払いは発生します。

ただ、それぞれ緩和措置があったり、減税措置があったりと税金の負担をなるべく少なくする国の施策があります。

引越しが気軽にできない

一度持ち家を持つと、居住環境は、その土地になり、気軽に引っ越して環境をかえたりするのが難しくなります。

お子様の学校生活が始まれば生活拠点をかえるのはかなり大変なことでしょう。

そのため、お父さんが転勤になった場合、単身赴任になったり、家族とともに赴任先へ引越し、持ち家を賃貸するなんてこともあります。

購入する時の費用負担が大きい

持ち家は、マンションにしても戸建にしても何千万という大変大きな出費となります。おそらく人生の中で一番大きな買い物でしょうし、そのため絶対に失敗できないというプレッシャーと思いますが、しっかりと計画して購入を検討しましょう。

修繕、メンテナンスは自己資金

賃貸と違い、持ち家になった場合は、経年劣化でも緊急の故障でもすべて自己負担で修理しなくてはなりません。

マンションの場合、毎月の修繕積立金で共用部分のメンテナンスについては、居住者みんなで出し合ったお金で賄い、専有部分については自己資金のみで行います。

戸建については、外部も内部もすべてが専有部分になりますので、しっかりと計画を立て、メンテナンスをしていきましょう。

皆さんいかがでしょうか?

上記に上げた以外でも、皆さんが実感するメリット・デメリットがあるかと思います。

個人的な意見にはなってしまいますが、持ち家を持つ方が長い人生の中、老後のことまで考えると一般的には良いかと思っています。

家の中を自分好みに替えることもできますし、時代に合わせたリフォームも可能。今頑張って老後までに完済できてしまえば、老後不安にならずに過ごすことができ、老後の年金も毎月の生活費に多く回すことができます。

また資産として次世代に提供できることも魅力的です。もしも次世代が必要ないといえば、その時に売りに出してもらえば、少しでも財産として残るかもしれません。

将来的なことを考えると、マイホームを持つことはオススメです。

マンションと戸建

マンションのメリット

分譲マンションは駅近など立地が良い・利便性の高い場所に立っていることが多い

共用住宅の分譲マンションは、高層マンション、中高層マンションと都市部のとても立地条件の良い場所に建てていることが多く、利便性は抜群に良いです。どこに行くにも、何を買うにも、レジャーをするにも、生活しやすい住環境が得られます。

セキュリティが良い

マンション内への出入りも防犯設備が充実しています。管理会社の管理人が常駐しているマンションも多く、住んでいる人を把握してくれていて安心です。

管理会社が入っていることが多いので共用部分の管理・清掃は管理人がしてくれる。

管理費を毎月払う分譲マンションでは、共用部分の管理、清掃を常駐している管理人さんが行ってくれます。また、共用部分が充実している分譲マンションでは、プール、フィットネス、屋外広場などいろいろな施設が、家近で利用できることも。

高齢世帯に優しい

室内1フロアで生活が完結するので上下階移動の負担がなく、エレベーターでの階移動で階段による移動が少ない等、ユニバーサルデザイン、高齢世帯にも優しい創りになっているマンションが多く快適に生活することができるでしょう。

マンションで同世代など仲良くなると行き来がしやすい。コミュニティが形成されやすい。

分譲マンションでは、デベロッパーが一気に売り出しを掛けることが多く、世代的にも似た世帯が購入することが多くあります。そのため、子供を通じてなどマンション内でコミュニティができやすく、マンション内の行き来も活発になると、生活に幅が広がります。

中高層階ではベランダからの眺望が良い

都市部にある中高層マンションからの眺望は、優越感を得られます。

遠くまで見渡せるプライベートな眺望は、毎日の生活を癒してくれます。

マンションのデメリット

1棟の建物に様々な人が住んでいるのでプライバシーが保ちにくい

コミュニティを形成しやすい反面、プライバシーを保ちにくい面もあります。人の出入りで、うわさも広がりやすかったり、子供の行動で、おかしなことを言われたりする場合もあるようです。

上下左右の住居と音の問題などトラブルになりやすい。一度トラブルになると、音の発生に気を遣い住みづらい

マンションのつくりによっては、左右の音が気になったり、上階の音が気になったりします。また、自分たちが発生させる騒音についても、下階や左右のお部屋への影響が気になったります。一度、変なことが起きると住みずらくなるので、一生涯の生活だと気を遣うのに疲れてしまうこともあるようです。

毎月の住宅ローン、光熱費、固定資産税の他、管理費や修繕積立金がかかる

分譲マンション特有の毎月の費用に管理費や修繕積立金という費用の発生があります。管理費は、共用部分の廊下や階段、エレベーターの点検、ゴミ集積場、自転車、駐車場などたくさんの事を管理してくれていたり、防犯に対して注意をしてくれる管理会社への費用。

修繕積立金は、今後起こりうる外部廻りのメンテナンスにかかる費用の積立金になります。一棟が大きな分譲マンションでは、共用部分にかかるメンテナンスも高額になるので、毎月少しずつみんなで出し合ったお金をプールしておいて定期的なメンテナンスの費用とします。

駐車場を借りるのに費用がかかる

分譲マンションでは、敷地内の駐車スペースに限りがあることが多く、抽選、もしくは順番で駐車場を使用することが多いです。中高層の分譲では、都市部に位置したり、世帯数が多かったりと十分な駐車スペースを確保することが難しいので、近くの月極駐車場を利用したりするので別途毎月の費用が発生することがあります。

災害時にエレベーターが止まるなど大きな障害が出る場合がある。

最近も話題になっていますが、災害時にはエレベーターが安全上非常停止すると、上層階の世帯は大変な不便を強いられ、非難するのも大変になる場合があります。

また、豪雨での水没が発生した場合、分譲マンションの電気系統は下階にあることが多く停電が長く発生したこともありました。

高層階では、地震時に揺れが大きい

分譲マンションでは、免振、制振構造の建物が多く、大地震でも耐えうるように設計されていますが、高層階では、地震の周期と建物の周期があってしまうと、とても大きな揺れになります。建物自体が耐えても、内装や持ち込んだ家具、家電が倒れたり崩れたりすることがあるので注意が必要です。

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立地を優先する方には、マンションという選択も良いと思います。

戸建

戸建のメリット

間取りが自由

この項目が戸建を選択する1番の理由の一つではないでしょうか?

注文住宅の戸建では、設計段階から自分の好きな間取りを設計士と一緒になって作り上げることができます。これからの自分たちの生活を描きながら、自分たちの住みやすい間取りを決めていくことは、人生の中で数少ない経験の一つです。

生活音を気にしなくて済む

独立していて隣家と離れて建っているので、マンションと違い、上下左右からの他人の生活音、自分が発する生活音をあまり気にしなくてすみます。

プライバシーが保たれる

マンションと違い周りの目をあまり気にしなくてすみます。外構で植栽や目隠しのフェンスを設ければ、敷地内でプライベートな空間を作り出すことが可能です。

駐車場・お庭を確保できる

住宅を建てるには建蔽率により敷地に対する住宅の大きさが決まってきます。そのため敷地にはお庭のスペースができたり駐車場のスペースができたりとゆとりが生まれます。

ファミリーが住む大きさを確保できる

マンションでは例えば、家族4人が暮らすとなると、物であふれかえり足の踏み場もない状態で毎日生活を送るということも耳にします。

戸建では、おおよそ10坪~20坪程度マンションより大きく計画することができ、上下階に空間が保て一定の広さを確保できます。

建替え・リフォームが自由にできる

外装のメンテナンスや内装のリフォームは自己負担ですが、マンションの管理規約に縛られたりすることもなく、自分の意志で自由にできます。

そのため、ライフスタイルの変化、家族の成長により、その時期にあった自由度の高いリフォームをすることができます。

戸建のデメリット

土地がある場合は別だが、土地と建物を単独で所有するため費用負担が大きい

一般的に土地建物と同時に購入する場合は、マンションよりも初期コストがかかります。大きな金額ですので、住宅ローンを組む場合は、トータルの金額よりも毎月の返済がどのくらいかを目安に検討すると良いでしょう。

建物のメンテナンスに費用がかかる

マンションでは、修繕積立金を強制的に毎月、積み立てをしなければならないので定期的なメンテナンスにかかる費用はあまり気にしなくても大丈夫ですが、戸建の場合一般的には、毎月修繕費を一定額積み立てしている方が少ないとお聞きします。

そうなるとメンテナンス時期には100万円以上の費用が一気にかかってきます。

防犯面がマンションよりは脆弱

住宅敷地を探される場合、駅近で立地の良い場所を探すのは中々大変ですし、見つかった場合でも土地の価格は住宅地よりも高いのが一般的です。

戸建住宅地は閑静な場所が適しているため、住宅が多く建てられるところは中高層の建物が少なく、交通移動、通勤についての利便性はマンションよりは劣ります。

しかし、住環境については、都市計画にて公園があったり学校があったり、お子様が伸び伸びと成長できる環境がそこにはあります。

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ファミリーで住むには、広さを考えても戸建はオススメです。

まとめ

マンション派・一戸建派でそれぞれ求めることが違うのが現実です。

マンション、戸建てを選んだ理由などをみても、例えばマンションの立地の利便性、戸建の住環境の快適さ・・・住居に求めることが人それぞれ違います。

また、マンション・戸建どちらが良いか、世代によっても違いが出てきます。

独身、夫婦二人での活動時期はマンション、子供ができたら子育て環境が充実した戸建、

また老後二人になったら、ゆっくりとセカンドライフを楽しめる戸建、2世帯リフォームまで考えて戸建。

または、利便性が良く、手間がかからないマンション・・・。

マンションと戸建どちらもメリット・デメリットがあります。

例えば「購入」という選択をしたとしたら、マンションや戸建ての単体を購入という事だけではなく、その周りの住環境も一緒に購入するという感覚を持った方が良いです。

住居とともにその環境も一生涯お付き合いしなくてはならないからです。

周囲に住む人もその住環境に入ります。「購入」前には、よくリサーチしてご自分たちご家族に合った住環境を手に入れてほしいです。

マンションと戸建、どちらにもメリット・デメリットがあります。

マンションか戸建てか、どちらが良いのか気になる方のために、詳細にまとめました。マンションと戸建のメリット・デメリット、さらに持ち家と借家のメリット・デメリットまで比較して、ご自身に合った家の選択ができるような情報を載せています。

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