新築の外観を考えている方へ!一級建築士が詳しく解説|水井装備

新築の外観を考えている方へ!一級建築士が詳しく解説

日本の住宅の外観

日本は明治以降、近代化の過程で、諸外国からの多文化を上手に取り入れ、発展してきました。

住宅についても昔ながらの純日本家屋も存在しつつ、諸外国のかっこいいデザインを取り入れ、南欧、北欧、アメリカン、モダン系・・・

十人十色、様々な好みを十分に飲み込めるだけの外観デザインが現在では存在します。

今や、ネットで「新築 外観」と検索すれば、様々な形やテイストのお家の写真が出てきますので、ネットでイメージを膨らませる方も多いでしょう。

でも、実はその形やテイストがそのまま、自分の気に入った土地、建て替えの土地に入るわけではありません。

それは、間取りや法的規制・周りの住環境(接道・敷地面積)に左右されたりするからです。

もしかするとネット検索で見栄えのするお家は、広い敷地で道路付けが良く、法的な規制に左右されにくいという条件がそろっている写真が多いのではないでしょうか。

この条件をクリアしつつ、お好みの外観のテイストを手に入れ、ずっと暮らし続けるマイホームをずっと大好きなまま、暮らしていってほしいと思います。

いろいろなテイストの混在

日本は、各諸国のいろいろな文化を上手に取り入れ、そして日本独自の文化を創り出し発展してきています。

住宅についてもいろいろな素材の外装材、技術により、純日本風、南欧、北欧、アメリカン、モダン系・・・など望めばいろいろなテイストの外観を手に入れることが可能と言えるでしょう。

Various designs
日本家屋から諸外国のデザインまで、望めば様々なテイストの外観を選ぶことができます。

住宅展示場との違い

イメージしている理想のお家はどんな感じでしょうか?

欧米住宅地の前面道路が広くて、日当たりが良く、道路から見るとバランスよく三角屋根で広いお庭やガレージがあって・・と映画に出てくる敷地の大きな豪華なお家を思い描く方も多くいるかもしれません。

夢のマイホームをこれから建てられる皆様が理想とする住宅づくりは、間違いなく今よりも幸せのグレードを上げるための行為です。

それも踏まえると、やはり敷地も大きく見栄えも豪華にイメージをして家づくりを考える方が圧倒的に多数となっても頷ける結果と言えるのではないでしょうか。

このようなイメージのもと、スタートすることが多いであろうマイホーム探し。最初の行動として、住宅展示場に出かけてみることが一般的かと思います。

日本の住宅展示場は建物外観も四方からしっかりと確認できるように、敷地も広めに造り、外観をパッと見て豪華に見える仕様にしてあることが多く、ネットで検索しても、住宅展示場へ足を運んでも、見栄えのする外観に夢が膨らむことでしょう。

しかし、いざ日本で土地を購入してお家を建てようと考えた時には、現実として都市住宅地は30~40坪くらいに区画割してあり、新築を計画していくと建てる前のイメージとの違いに愕然とされる方も多いお聞きします。

それは日本の都市部で住宅展示場と同等のサイズ、テイストの家をを手に入れるとなると結構な費用が必要となるからです。

日本でも別荘地や地方の方に行けば、土地も広く、安く手に入るかもしれませんが、毎日の家族の生活(医療・介護・物販・仕事・教育など)を考えるとどうでしょうか?

便利に何でもそろう都市部から離れて暮らし、ばっちり理想の外観を手に入れるためには一定の覚悟がいるかもしれません。

Open house
ネットや住宅展示場で見るような外観の住宅を手に入れるためには、一定の条件がそろわなければ難しいでしょう。

住宅が密集している

日本の都市部、生活をするために必要な施設がある利便性の良い場所は、当たり前のことですが一般的に人が密集し、生活する居住空間も密集しているという特性があります。

ということは、必然と住宅としての用途の土地の値段の水準は上がり、なるべく多くの人が気持ちよく住めるように、住宅用地はちゃんと区画されていることでしょう。

例えば2区画を一気に購入して一軒家を建てれば、敷地にゆとりがあり、都市部で理想の外観を手に入れることも可能かもしれません。

しかし、大多数は、通常1区画で一棟建てて幸せに暮らしています。そのほとんどの区画が道路1面、または2面に接道して、そのほかは隣地となり、お隣様のお家が近接している状態となります。

道路側からしか見えないことが多い

角地は別ですが、大部分の場合、外観は、1道路から見ることになり、前面道路がどの程度の広さなのか道路と敷地の高低差も、見栄えには影響があります。

全体のイメージを膨らませ、家全体のテイストをイメージに合わせるとなると、かなりのコストがかかるところを、道路からの1面、または2面に抑え、そのほか裏側や、隣地と近く見えづらい面は、コストを抑えるためにシンプルにするのも、技法のひとつです。

Crowded
多くの人が気持ちよく住めるように、住宅密集地は区画が決まっています。

敷地にゆとりがあれば

敷地にゆとりがあれば、隣地との間隔も多く確保できて理想の外観に近づけることができると思います。

また、敷地に対しての建物の大きさを、少し小さめに設定して隣地との間隔を確保するという方法もあることはご存知でしょうか。

その場合、建築費用も多少抑えられたり、日当たりが確保できたり、外構を楽しめたりと住むご家族の室内居住空間を上手に使いこなせばとても快適に過ごすことができると思います。

お庭がとれれば

前項に繋がりますが、お庭があると建物の外観の見栄えが変わってきます。緑のあるお庭やウッドデッキ、テラスのあるお庭をもつと建物の外観と調和します。

駐車場を最低一台分は確保

とは言いつつも、やはり毎日の生活を考えると、先に考えるのは、お庭よりも駐車場の確保かと思います。

車をお家に対してどのように停めるのかも外観を考えるにあたっては考慮しなくてはなりません。

屋根付きのカーポートを付ける場合にもいろいろなデザインがあるので、お家の外観と合わせて選びましょう。

また、車が入っているときは駐車場ですが、車がない時は外観を創り出す要素にもなります。

駐車スペースの仕上げには、一般的にコンクリート仕上げが多いですが、ほかにも、意匠性を持たせた感じで、レンガ調のインターロッキングを施したり、石材を施したり、ウッド調で仕上げたりと建物の外観に合わせて駐車するスペースも工夫すると、より理想的な外観に近づくかもしれません。

また、家の一部に駐車場を作ってしまうビルトイン型の駐車場は、建物の間取り、建物の外観にもかなり影響を及ぼしますが、面積制限の緩和を受けられたり全体をコンパクトに抑えられて少ない敷地を有効に使うことができます。

外構とのバランスで外観が一気に変わります。

お庭の事や駐車スペースの事など、新築を建てる場合、敷地内の外構工事も何かしらの範囲で必ず行わなければなりません。

新築外観ばかりを気にして、予算をそちらばかりにもっていってしまわず外構工事にも予算を割り振ることを覚えておいてください。

いくら新築の外観がものすごく理想にあっていても、外構にもある程度の予算を割いておかないと、敷地全体的を眺めると何か抜けて見えてしまうと思います。

新築外観+敷地内外構を意識しましょう。

Exterior
敷地内外構に割り当てる予算も計算に入れておきましょう。

外観を左右する外壁材料

よく使われる外装材の種類

☆窯業系サイディング

一般的にかなり出回っている材料になります。

セメントに繊維質を混ぜて、軽量化と強度強化を実現した外壁材で、メリットは、デザインが豊富で、お好みのデザインも見つけやすいこと。

価格帯は様々ですが、施工費と合わせると比較的安価に済むことがおおく初期コストパフォーマンスが良い商品です。

デメリットとしては、サイディング同士の継ぎ目ができシーリング目地ができる。(少し高価な商品ではシーリングレス商品もあります)

10年~15年程度でメンテナンスが必要だが、初期で模様や色合いが複雑な商品を選んでいると、塗り替えで初期と同じ外観を保つことが難しい。

塗り替え時期にシーリングの傷み具合で打ち替えのコストがプラスしてかかる。

窯業系のサイディングはデザインが豊富ですし、石材などの素材感を出した、感じの良いサイディングがあるのも特徴です。

部分ごとにデザインの違うサイディングを使ったり、選ぶ楽しさも味わえ、メーカーからカットサンプル(カタログではなくて、本物のサイディングをカットしたもの)も見本として取り寄せると実際にどんな感じの素材かを張る前に確認できます。

汎用性、量産性の高い窯業系サイディングは、現在、進化を重ねデメリットをどんどん改善し、耐久性も上がってきており、多様性があるのでどんな外観でも実現可能です。

☆金属系サイディング

金属系のサイディングにも、「ガルバリウム鋼板」や「アルミニウム合金塗装板」などいろいろな種類がありますが、一般的に多く使われているのは「ガルバリウム鋼板」の外壁材です。

金属系サイディングは軽いことで、外壁を支える構造体への負担が済むので建物全体の耐久性が良くなるという特徴を備えています。

ただ、意匠的なデザイン面では幅が狭く、街中で見るデザインは、ほぼストライプの凸凹したメタリック調のガルバリウム鋼板でしょう。

また太陽熱が当たると当然金属は熱くなるので、金属系サイディングの中空層には断熱材が施されていますが、断熱材に厚みがないので断熱効果抜群とまではなかなか言えません。

しかし、遮音の効果はあると言えるでしょう。

雨が金属にあたる独特の軽い音は、そのウレタンの断熱材の効果、また、壁内の空気層によって、室内への透過音も軽減されてきます。

窯業系サイディングよりは多少高価ですが、耐久性もあり、外装にスタイリッシュ、モダン系のイメージを持たれている方はバッチリとイメージと合ってくると思いますのでお勧めです。

☆ALC(軽量気泡コンクリートパネル)

軽量で耐火性、防火性、断熱性、遮音性など性能面ではかなり優れいているパネルになりますが、シーリング目地材が多くなり意匠性には少し欠けるパネルです。

また、水に弱いという性質があり、定期的に塗装のメンテナンスをしなくてはなりません。

外装のメンテナンスは、どの材料を使用してもメンテナンスフリーとはなりませんので性能のみに着目するならばお勧めです。

☆モルタル塗り

昔から人気のモルタル塗り、モルタル下地は、耐火性があり耐久性も高く、仕上げの種類が豊富で、パネル材と違い目地もないので意匠性も大変良いです。

仕上げの種類は、弾性樹脂系の左官塗りでいろいろなパターンを付けたり、

吹付ガンで外壁に石の入った塗料を吹き付けたり、いろいろな仕上げ方を楽しめ、塗料は色も豊富でお好みの色を選定することが可能。

メンテナンスについても元々が塗装系の仕上げなので塗り替え後も風合いが変わらずお家のイメージを保つこともでき、色をチェンジしてイメージを変えてもおかしくなりにくい点もモルタル塗りのメリットではないでしょうか。

デメリットとしては、職人さんが現場で作業するので施工技術に左右されたり、その時の季節、気候に左右され精度がそれぞれ変わる可能性があることが挙げられます。

また、ひび割れがしやすいという特徴も気がかりな点です。

最近はモルタルを塗る下地がよくなったり、耐震性の高い建物も多くなって動きにくいのでひび割れも少なくなってきてはいますが、昔ながらの建物は外部にひび割れが目立つ建物も多く見られます。

メンテナンスの時にひび割れを補修してもまた違う場所でひび割れが発生したりすることもあるなど、モルタル塗り仕上げで考えている方は、ひび割れのリスクを見込んでいなければなりません。

ひび割れといってもヘアクラックといって構造上支障のないひび割れがほとんどなので、外壁のメンテナンス時期に補修して塗り替えるのが一般的です。

デメリットもありますが、とてもかっこよく仕上がりますので意匠性をメインに考える方にはお勧めです。

☆乾式タイル仕上げ

乾式タイル仕上げは、ベースに窯業系のサイディングを張ってその上にタイルを引掛けて張っていく工法、接着剤で張り付ける工法が一般的です。

乾式工法は、何と言っても見栄えがどの仕上げよりもとても豪華に見える点がメリットではないでしょうか。

引掛けていく工法では、職人による施工の差が出づらいというメリットもあり、どの現場でも同じ品質を出すことが可能です、

コスト面については、材料費を考えると家全体にタイルを施した場合、タイルの材料によりそれなりにかかるでしょう。

メンテナンスについては、最初の15年~20年くらいまでは外壁面は洗浄くらいで済むと思いますが、大型の車両が通る道路沿いの住宅や地震の影響などで万が一のタイルの落下の可能性もないとは言えません。

こういった万が一の場合にも備えるために、いくらタイル貼りでもメンテナンスフリーとまではいかないことを覚えておきましょう。

外装に係る部分では、外壁材だけでなく、屋根材、雨樋、軒天井、ベランダなど、メンテナンスを定期的に施さなくてはならない場所がたくさんあるので、やはり足場をかけて定期的な点検メンテナンスが必要だと考えます。

ハウスメーカーなどでは乾式タイル工法は、コスト削減のために海外である程度作ってきて現場で組み立てる工夫をしていたり、認定を取得して自社独自の工法で行っていることが多く、メンテナンスについてもその会社でしか対応できないような形が多いです。

できれば在来の工法で施工し、どの会社でも対応できる形にしておけば、メンテナンスの時に価格を抑えることができてくるかもしれません。

outer wall
外壁材料に何を使うかによって、家の外観も左右されます。

外観を左右する屋根材

外観を構成する要素は、外壁だけではなく、実は屋根材も重要です。

近くで見ると見えづらい部分ですが、少し離れて外観を眺めると屋根によって家の見栄えが全然変わってきてしまいます。

よく使われる屋根材の種類

☆スレート系

コロニアル屋根と呼ばれることもあります。

最大の特徴である「安価で軽い屋根」として、建物の耐久性にも寄与して、デザインも色も豊富で、外壁のデザインに合わせやすいという要素も持ち合わせています。

施工もしやすく、複雑な屋根形状でも対応することができますが、屋根勾配があまりにもなく緩やかな場合は使用不可となるのでご注意ください。

一般的によく使われる材料ですが、屋根端部の役物を板金で押えるなど、施工の仕方によっては一気に見栄えが劣ってしまう可能性があり、外壁を豪華に見せたのにもったいない結果になってしまうことも。

そのような場合は、専用の端部役物を使用して見栄えを引き立てるなど、ご自宅に合った施工をすることも可能です。

屋根材全体は下から見えない部分ですが、ちょっとした端部は下からでもよく見えることがあり、そこを気にするかしないかによって、スレート系は見栄えに差が出てきます。

メンテナンスの目安は、おおよそ10年~15年。外壁のメンテナンスと合わせて行うケースが多いです。

屋根は外装の中で、実は一番過酷な条件で常に頑張っている部分なので、どんな材料でも定期的なメンテナンスをしなければ、どんどんと劣化は進みます。

スレート系は、軽い屋根で耐震性を向上させ、安価でデザイン性も豊富なので、幅広く使用されており、比較的どのような外観のデザインにもマッチしますので、多くの方にお勧めです。

☆金属系

住宅で良く使われる金属系の屋根といえば、ガルバリウム鋼板の屋根です。

軽い屋根に分類され、耐久性が良く、葺き方も縦葺き、横葺きがあり、鋼板ですのでシンプルですが色も様々な種類があります。

縦葺きの場合、屋根勾配は緩やかでも対応ができ、デザイン面で、片流れ屋根の勾配を緩やかにする場合などは、相性がとても良いでしょう。

最近はスレート系の屋根に並ぶ人気で、多くの住宅に使用されてきている金属系の屋根。

ガルバリウム鋼板は、屋根のリフォーム市場でも扱いが多く、軽い屋根のため、既存のスレート系の屋根の上に増し葺きする工法にも対応可能です。

ガルバリウムで太陽光パネルを載せる場合は、引掛け金物を使用するなど、施工上、計画段階で設置を検討しておく必要があります。

デメリットは、細かくカットすることができないため、大きな板一枚で搬入する必要があることから、他の材料に比べて多少運送費が余分にかかること。

施工を気を付けないと傷がつきやすい、また、雨が直接当たるので音については、しっかりとした屋根の断熱施工で遮音をしっかりとしないと雨音が気になるなどでしょうか。

メンテナンスの目安は、おおよそ10年~15年。外壁のメンテナンスと合わせて行うことが多いです。

ガルバリウム鋼板を使用する場合、一般的に屋根の勾配が緩やかな場合が多いので、塗装メンテナンスもしやすいことから、メンテコストも比較的安価に済むでしょう。

軽い屋根で耐震性を向上させ、安価で、デザイン性も工夫次第で外観によく納まりますので幅広い使用が期待されます。

☆アスファルト系

住宅では、アスファルトシングル葺きという工法が昔からあります。

石を吹き付けたシート状のもので、加工もしやすく比較的コストを抑えることができるのが特徴で、デザインは洋風の建物にマッチするでしょう。

それに加えて軽さの面でも優れているアスファルト系ですが、屋根材の費用は抑えられたとしても屋根下地や屋根断熱材をしっかりとしないと、結露を招いたり、遮音性に劣りますので注意が必要です。

新築して5年目くらいまでは、とても感じが良く見えますが、初期コストを抑えた分メンテナンスに費用がかかることが予想されます。

劣化してくると、表面の石が落ちて、雨で流れ樋にたまってきたり、風雨、日差しで、材料がめくれをおこしたり、地域によってはコケが生えやすい、さらに他の屋根材に比べると雨漏りも比較的起きやすいでしょう。

最終的にはメンテナンスで、重ね葺きでアスファルト系、スレート系、または、金属系にすることも視野に入れ、初期コストを抑えつつ意匠性を上げる目的で使用することをお勧めします。

☆瓦系

昔ながらの日本瓦、洋風瓦の粘土系の瓦と近代的なセラミック系の瓦があり、改良された金属、セメント、天然石付鋼板屋根材を使用したり、ハイブリット系の瓦や通常の粘土系の瓦よりも軽量で耐久性を高めた瓦もあります。

屋根材の中でも、瓦はやはり一番豪華な見栄えと言えるのではないでしょうか。非常に耐久性に優れ、さらにはメンテナンス費用も抑えられるなど、メリットも充実。

割れたり、ずれた部分の瓦の交換や漆喰の塗り替えくらいで耐用年数が最も長いことも特徴です。

デメリットは一般的に重い屋根に分類されており、耐震性についても不利な点が挙げられます。

重さ以外にも、一枚一枚を引掛けて施工されているので、地震時に崩れたり、台風時に崩れたりということも考えられるでしょう。

最近では、台風により瓦がみんな飛ばされてしまった住宅が映像で流されているのを皆さんも見たことがあるかもしれません。

瓦は思い屋根になるので、災害に対してのリスクは大きくなります。近くで災害発生の危険性があると判断した時は、軽い陶器の瓦などを選定して災害に備えましょう。

対策としては、耐震性の高い瓦を使用したり、金属系の瓦を使用したり、天然石付鋼板屋根材を使用したり、ハイブリット系の瓦を使用したり、初期コストは、かかってきますが、見栄えと耐久性を求める方にはお勧めです。

roof
近くから見るとわかりづらいですが、遠目から見ると家の外観に屋根は重要です。

外観を左右する外構

☆カーポート

最近は駐車スペースにカーポートを設ける方も多くなってきております。

雨の日の車の乗り下り、また、花粉時期の花粉の付着や太陽の直射日光、積雪から車を守るなど、効果を発揮してくれるでしょう。

外構のデザインによっては無機質になりがちなカーポートですが、アルミ部分にラッピングがされていて、木目のデザインが入っているなど、シンプルでシャープなデザインがあり、外構のデザインを邪魔しないで機能を果たすものもたくさんあります。

☆テラス

お庭の一角をテラスにしてテーブルやいすを設け、お家の中から見渡せたり出入りができると1ランク上の外観になります。

さらにテラス屋根を設けることによって、雨天や日射にも対応ができ、素敵な空間になるでしょう。

☆ウッドデッキ

ウッドデッキ単体でお家から出入りができてもいいですし、ウッドデッキ+目隠しフェンスでプライベート空間を創り出すのも良いでしょう。

またテラス屋根と組み合わせて、1ランク上の空間を創り出すと、とてもぜいたくな空間になります。

ウッドデッキには、樹脂に木片を練り込んで成型した擬木と本物の木によるウッドデッキとがあり、擬木の方は、定期的な塗装のメンテナンスなどは必要がなく、腐ることはありませんが、経年劣化、汚れはでてくるのでほっときっぱなしというわけにはいきません。

本物の木になると、とても素敵なのですが、メンテナンスをしないと劣化が早く、腐れが出てくるので定期的な塗装のメンテナンスが必要です。

☆植栽

外観を創り出す要素として実は一番重要といってもいいかもしれません。

植栽にはコストを抑えつつ外観を一変させる力があり、人間は緑があるととても和む生き物であると思います。

建物の印象もその家に住む家族の印象も植栽一つで変わってくると言っても過言ではありません。

花が咲くもの、落葉するもの、季節によって色が変わるもの、また、手間がなるべくかからずに植えられるもの、植栽の成長の遅いもの・早いものなど、お好みによりいろいろと選定できます。

メリットは計り知れないですが、一番のデメリットは、生き物ですから世話必須で、落葉の清掃、害虫の除去、枝葉の選定など、面倒に思う方も入れかもしれません。

しかし、植栽は使用の仕方によっては建物の外観だけでなく、建物への日射の調整や、植栽を通った風が室内に入るとマイナスイオン効果も期待できます。

普通の風より植栽を通した風の方が、水を含んだ風になることで涼しい風になることもプラスポイントではないでしょうか。

Exterior of a house
外構も含めて住宅の外観は決まります。

外観を左右する法的規制

新築を建てるにあたり、建築基準法や都市計画法、その他建築関係法令によりいろいろな規制がかかってきます。

これは、新築する都道府県市町村によっても異なり、同じ建物でも地域により異なってくることはご承知ください。

☆斜線制限

皆さんもご存知かと思いますが、建物を建てるにあたり、日当たりなどを考慮して敷地にはいろいろな実際には見えない斜線がかかっています。

道路からの道路斜線、隣地からの隣地斜線、北側からの北側斜線、都市部では、北側からの北側斜線のほかにもっと厳しい規制の高度斜線という斜線があります。

これにより一定の高さから一定勾配の斜めの規制線が引かれ、この線以上建物を突出させて建ててはなりませんという制限が斜線制限です。

この斜線は、かなり建物の外観に大きな影響力を持っています。

☆防火地域

地域によっては、防火地域、準防火地域、法22条区域と建物の防火に係る規定が存在し、地域ごとの規定によって住宅の外装にも影響を及ぼします。

特に窓や玄関の開口部は防火仕様にしなければならない場合があるので、窓にはシャッターを付けたり、ガラスを網入にしたり、樹脂系や木質系の窓の制限を受けるなど様々です。

実際には窓サッシ自体の一つ当たりの価格も高価になるので、建築コストにも反映されてきます。

このような規定の元、建物の構造や窓の数や大きさ、外壁や屋根の仕様など、地域によって使用できるものできないものがあるのを覚えておいてください。

☆高さ制限

道路付けによって、建物の位置が決まったり、形状が決まったりしていきます。

道路が西側なのか、東側なのか、北側なのか、南側なのか、それにより玄関の位置や、空地の位置、駐車場の位置、日当たりの良い位置にLDKを配置したりするなど、間取りに影響を及ぼすことをご存知でしょうか。

それにより当然、建物の形状が真四角で行けるのか、鍵型ににしなくてはならないのか、コの字型になるのか、というところまで決まってきてしまうこともあります。

Blueprint
法的規制は市町村によっても違いがあります。

住みやすさを左右する外観

☆日射取得・日射遮蔽

外観デザインばかりを気にしてしまうと快適に住まうために大切な、住宅の快適性について忘れがちになる場合があります。

家は当たり前ですが一年中通してその場所に立ち、動きませんが、日本には四季が存在し春夏秋冬によって気候、太陽の位置が変わります。さらに晴れの日、雨の日、暴雨の日、暴風の日もあるでしょう。

しかし家はどんな条件でも快適に家族を守る存在でなければなりません。自然の恵み、太陽とのお付き合いを上手にすることは必須です。

夏は、日差しを上手にカットするために窓の部分に庇を設けたり、夏の西日をカットするために外付けのシェードを設けたり、外構で植栽を配置したりして日差しをカットしながら気持ちの良い空気を家の中に取り入れたり。

冬には、短い日照時間の中で、日中日差しを上手に取り入れて家中を暖かく保つように南側の窓の位置、大きさを決めるなど、日射の取得や遮蔽はとても大事な項目です。

また庇を設けることにより雨天でも有効にその性能を発揮します。

☆耐震性

室内は「なるべく自然光でなるべく明るく窓がたくさんあった方がいいな」とか、「建物の隅に出窓を設けたら素敵だな」など、建物の外観に窓はとても影響力があります。

建物の形状でも複雑な家の形の方が豪華に見えたり素敵に見えることもあると思いますが、日本は地震大国ということを忘れてはなりません。

それを考えると、建物の形状はなるべくならシンプルに四角く、そして建物の四隅には、窓ではなく耐震上有効な耐力壁を配置するのが安心です。外観デザインと共に建物の耐震性もしっかりと考えていきましょう。

☆間取り

建物の外観を左右する要素として室内の間取りもものすごく大事な要素の一つです。

南面の居室にはバランスよく窓を設けて明るくしたいですし、居室の窓の位置によっては、余計に暑さを感じたり寒さを感じたりしてしまうこともあるでしょう。

トイレの位置やお風呂の位置、洗面脱衣室の位置、階段の位置、玄関の位置、窓の有無・大きさの大小・形状によって大きく外観デザインに影響するポイントです。

house inside
見た目だけでなく、快適な住空間になるように設計されています。

まとめ

以上の項目から、自分の理想の外観を手に入れるためには、いろいろな条件がそろってこないと難しいと言わざるを得ません。

そして、資料を見すぎたりいろいろな人の意見を聞くと、逆によく分からなくなってしまうものです。しかし、せっかく建てるマイホームですから、お気に入りの外観を手に入れたいと思うのが人の心でしょう。

バッチリと完璧なイメージをお持ちの方、また、外観についてはあまり気にしないと思っている方は別ですが、「こんな外観が自分たちの家族には合っているなー」とある程度のイメージをお持ちの方が、実際には多いのではないでしょうか。

そういった場合は、専門の建築士・デザイナーに相談して、どこをどう工夫することによって、自分の理想に近づけていけるかを相談していってください。

また、建物のイメージだけでなく、外構のイメージまでもっていけるのが理想的でしょう。外構の予算もしっかりと組んで、人生を豊かにする一生のマイホームを手に入れてください。

Architect2
建築士・デザイナーにご相談ください。

新築住宅の外観を検討中の方に、住宅展示場と実際に建てられる住宅の違いから、外観を左右する材料や外構まで詳細に解説しています。 住みやすさを実現するためには室内の間取りも考慮するなど、建築士目線での考え方までご紹介しています。

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