ヌックとは?
今人気のヌックを分かりやすく解説!!
新築を建てる際に人気の「ヌック」。気になっている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際ヌックとはどのようなもののことを言うのか知らない方もいらっしゃると思います。
そこで今回はヌックの特徴やメリットデメリット、おすすめの設置場所などを解説します。
ヌックとは
室内の空間の隅や、突き出しを利用して作る小さなくつろぎのスペース。もともとは、スコットランド語の「ヌーク」が語源。【温かくて居心地の良い場所】という意味で使われていたそうです。スコットランドの伝統的な住宅様式に由来するもので、暖炉のそばに設けられた、小さな座席スペースが起源と言われています。
一般的なヌックは、広さは2~3畳程度。「お部屋未満」のこぢんまりとした空間です。壁やドアで区切らず、段差や素材などでゆるやかに空間を作り、どこにも属さないスペースです。
別空間になるようにするのがポイントで、壁や扉などで仕切らないのも一般的。小上がりにして段差を付けて区別したり、床や壁紙は他の部屋と違うものを使用することで変化が出ますので、別の空間に見せることができます。
また、入口をアーチ状に作ったり、ヌックの天井だけ低くしたり、床を高くしたりすると、つながりを持ちつつもしっかりした別空間を作り上げることができます。
ヌックはなぜ流行したの?
ヌックが流行し始めたのには理由があります。
ライフスタイルの変化
インターネットの普及やスマートフォンなどの登場により、自宅で仕事や勉強をする人が増え、ワークスペースや書斎の需要が高まったのが大きな理由です。自宅で過ごす時間が増えたことで、ヌックの人気が高まりました。
また、家族構成の変化や少子高齢化の影響で、一人暮らしや夫婦のみの世帯が増加し、空いたスペースを有効活用するニーズも高まりました。
インテリアデザインの変化
インテリアデザインのトレンドが、シンプルで機能的なものから温かみのあるナチュラルなものに変化。ヌックは木材や自然素材を使用したものが多いのでトレンドと合致し人気が高まりました。
メディアの影響
雑誌やテレビ番組などでヌックが取り上げられることが増え、著名人やモデルが自宅のヌックを紹介したり、ヌックのあるオシャレなカフェやレストランも取り上げられ、ヌックに対する関心が高まりました。
人気のヌックスペースは?
ヌックは限られた空間を有効活用することができます。ちょっとしたスペースを利用して、様々な用途で利用してみましょう。
では、どんなスペースに活用できるのか見てみます。
リーディングヌック
本や漫画が好きな人におすすめ。造作の本棚やベンチを組み合わせて設置すれば、落ち着いて読書に没頭できる空間に。
ワークスペースヌック
仕事や勉強に集中できるスペース。デスクや椅子、コンセントを設置して機能的な空間を作りましょう。
キッズスペースヌック
子どもたちが遊んだり、くつろいだりするスペース。おもちゃや本などを収納できる棚や、小さな椅子やテーブルを置くと良いでしょう。
リラクゼーションヌック
キャンドルやアロマを焚いて、リラックスできるスペースに。ソファを設置したら、ゆったりとくつろげる贅沢な空間を作ることができます。入口にロールカーテンを付けておけば、来客時の寝室としても。
ヌックのおすすめ設置場所
LDKの一角に
LDKの一角にヌックを作れば、同じ空間にいても程よい距離感を作りつつ、自分だけの時間を過ごすことができます。ゆるやかに隔てられたヌックであれば、家族がテレビを見ていても気にすることなく本を読んだり仕事をしたりと、自分の作業に集中することができます。
階段下などのデッドスペースに
デッドスペースになりがちな階段下は、一般的にはトイレなどに活用されますが、そのスペースを利用すれば秘密基地のようなヌックになります。
階段下は天井も低いので雰囲気も出ます。ちょっとした本棚や椅子を設置してリーディングヌックにしたり、隠れ家として一人時間を楽しむこともできます。
窓際に
日向ぼっこをしたりして、リラックススペースに最適!適度に太陽光が入る場所がおすすめです。窓辺に出窓ベンチを作ったら、自然の明かりでお昼寝をしたり、読書をしたり、携帯を触ったりと、用途を決めなくても心地よい時間を過ごすことができそうです。
ヌックのメリット
限られた空間を有効活用できる
ヌックは階段下や窓辺などのデッドスペースを有効活用することができます。2~3畳ほどの空間があれば、使い勝手の良いヌックを作ることができるでしょう。
さまざまな用途で利用できる
ヌックは、ワークスペースや書斎、キッズスペース、読書スペースなど様々な用途に利用することができます。用途によって、棚を付けたり机や椅子を配置することで、好みのスペースにすることができるでしょう。
部屋のアクセントに
ヌックは木材や自然素材を使用することが多いので、温かみのある空間を作ることができ、お部屋のアクセントになります。壁や床、天井などを自分好みの色や素材で装飾したり、家具やインテリアをこだわって選んだりすると、個性や遊び心を演出することができます。
集中力を高めることができる
周囲の視線を遮るような作りのヌックにすれば、勉強や仕事の時には集中力を高めることができます。
ヌックのデメリット
2~3畳の広さは必要に
ヌックは広すぎても落ち着きませんが、狭すぎると圧迫感を感じます。そのため、2~3畳の広さは必要になってきます。ヌックを作ることによって収納が不足したり、他の部屋が狭くなってしまわないように、何を優先するのかをきちんと確認しておきましょう。
採光と通風の問題
デッドスペースをヌックにする場合、窓がなく明かりが入らなかったり、風が通らないということがあると思います。暗くて風通しが悪いと、じめじめした空間になってしまうので気を付けましょう。
また、寒い冬や暑い夏でも快適に利用できるような工夫も必要です。
費用がかかる
ヌックの利用目的や形などによって費用は変わりますが、費用は必ずかかります。ヌックを作る際は、予算もしっかりとり、設計の段階から施工会社に相談しましょう。デッドスペースを活用するのであれば、そこまでの費用はかからない場合もあります。
使いにくかった
なんとなく流行だからといって取入れてしまうと、あまり使われないスペースになってしまう可能性も・・・。お金もかけてスペースも取ったのに、ただの物置になってしまうのはもったいないです。設置場所にも気を付けて、本当に必要か家族で考えてから決めましょう。
水井装備の施工例
埼玉県飯能市K様邸
4.5畳と少し広めのこちらは「ダイニングヌック」としてお使いになります。家族で食事がとれるくらいのこじんまりとしたダイニングに。食事以外の時にはお子様が宿題をしたり、ちょっとしたお仕事ができそうなスペースにもなります。ヌック部分は床を少し高くし、天井を下げることでこもった空間になります。
テーブルとベンチはオーダー家具となっていて、モールテックスという塗材を使っています。デザインにもこだわったヌックとなっています。
東京都瑞穂町A様邸
リフォームされた際に「ちょっとした腰掛けスペースが欲しい」との要望があり、小スペースですがリラクゼーションヌックを作りました。
こちらに座りながらテレビを見ることもできますし、ほっと一息つくのにはちょうど良い場所。
水井装備事務所
1Fにあるレンタルスペースに、畳のヌックを作りました。
打ち合わせの時は、お子様のキッズスペースに!また、スタッフが休憩をする時にも使用します。畳なのでホッとするスペースになっています。
2Fにも2.5畳ほどのヌックスペース。当初は休憩用にと設計しましたが、今は設計を担当しているスタッフが集中できるようにワークスペースヌックに変身。暮らしながら様々な用途に変更できるのもいいですよね!
まとめ
ヌックを作る際には、そこまでのデメリットはなさそうです。しかし作った後に後悔しないように、コンセントや収納はしっかり確保することを忘れずに。どのように利用するのか、設計の段階から考えておくことが大切です。
廊下や階段下など限られた空間を有効活用すれば、面積に余裕がなくても作ることができるのがヌック。
温かみのある「小さくて居心地の良い空間」を演出したら、お家時間もより豊かに穏やかな時間を過ごすことができるかもしれません。
これらのポイントを参考に、自分だけの居心地の良いヌックスペースを作ってみてください。
今流行している「ヌック」。聞いたことはあるけどそれって何なの?と思っていたという方に向けて、分かりやすく解説いたします。